日本人なら誰でもなぜか深呼吸したくなってしまう、ヒノキの香り。
アロマオイルというと西洋の花を使用した何かというようなイメージで捉えている人もいるかもしれませんが、じつはそのようなものばかりではないのです。
花のようなヒノキの香り
たとえば、ヒノキのオイルを使用した製品。
あの、新築の木の家のようなすがすがしい香りを胸いっぱい吸い込むこともできます。
また長野県「ヒーリングカンパニー」は、樹齢300年以上の木曽ヒノキから採油して20年熟成させたアロマオイルを販売しています。
こちらはいわゆるヒノキの香りとは一味違った花のような香りなのです。
どちらのアロマもまるで森の中で森林浴をしているかのようなリラックスを与えてくれる効果があります。
また、近頃ではすっかり見かけなくなってしまった樟脳(しょうのう)。
着物の防虫のため、タンスに入れられる虫よけ剤です。
わたくしも、祖母がケミカルな樟脳を使用していたようなかすかな記憶しかありませんが、マダム朝子が天然の樟脳を見せて下さいました。
ハイクオリティな一品
九州産の樟だけを使用して結晶化した樟脳を八女の手漉き和紙で包んだ防虫剤は、ケミカルな樟脳よりもずっと優しい香りで、空気に触れるとたちまち消えてしまうというハイクオリティな一品でした。
戦前は国家の国益として専売公社が製造・販売していた樟脳。
今では九州の「内野樟脳」ほか、数件しか樟脳を作っているところはありません。
そんな樟脳作りに使われるのと同じ樟100パーセント使用の和製精油「樟脳オイル」。
防虫効果もありますし、落ち込んだ気分をアップさせてくれる働きが期待できます。
気分転換したいとき、集中したい時などにアロマポットやキャンドルに2、3滴たらし、通常のアロマオイルと同じように使用することができます。
玄関に数滴落としたり、水とまぜて網戸や窓枠にスプレーすれば虫よけにもなります。
このように、日本に古くから存在するアロマオイルもあり、西洋由来のアルマオイルと同じように使用することもできるのです。
植物のパワーをぎゅっと凝縮して日々の生活に取り入れたいという行為は、世界中多くの民族に見られたものなのですね。